
[Review]
Canon
RF24-50mm
F4.5-6.3 IS STM
超軽量、高画質
210gの頼れる相棒
驚異のWixテクノロジーによって4Kディスプレイに対応した記事
更新 2024/02/17
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビュー
どうも皆さんフィリポです。RFレンズ、フィルムカメラの呪いから開放されたレンズだ。結果として、歪曲収差なんて無視してレンズが作れるようになった。そして、スマホレンズの技術を取り入れたプラスチックモールド(PMo)非球面レンズの採用、こなれてきたRFレンズの開発。その結果廉価で高画質なレンズが作れるようになったようだ。

Canon EOS 5Ds R, SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art A017, 135mm, "HDR", f16.0, ISO 100
単体重量210g。R8と組み合わせて670g程度と圧倒的に軽い。沈胴式でコンパクトなのでどこにでも持ち出したくなるサイズ感だ。レンズにはズームリングとコントロールリングのみ。スイッチでAF、Control、MFに切り替えられ、小さく安価ながら4.5段分の手ぶれ補正機構を内蔵している。なおAF時にはコントロールリングは無効化される。


Canon EOS R. EOS R8, SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art A017

左がR8とRF24-50mm、右がRとRF35mmだ。RF35mmは305gと軽い方だが、Rと組み合わせると965gと1kgに迫る重量。それと比べるとR8とRF24-50mmの670gはずいぶん軽く感じる。到底フルサイズの一眼を持っているとは思えない重量感だ。AF速度は不満がないくらい早い....RF35は遅いし、迷うし、ウォブリングするしで使い心地は最悪だ。
Canon EOS M, Canon EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM, 55mm, F8.0, 1/3, ISO 100
廉価なレンズを批評するにあたって、私がどんなレンズを使っているか語らなければその言葉に説得力がない。並んでいるのは現在所持している全てのレンズだ。24-105mm Art、135mm Art。そして100-400mm IIだ。RF24-50mmは、後ろのLレンズより色の出方が好みだ。つまりEFよりRFのほうが好み。なんかねRFは描画がリアルなんだよね。
スナップ撮影してDPP無調整現像
今回はDPPで現像した。R8で撮った写真ってLightroomで開くとEF時代のカメラと比べると明らかに異質なんだよね。6D、5Ds R、R、EF時代のセンサーを持つカメラはどれも多少は色味の違いがあるが、EOSの描画だなって感じなんだけどR8はなんか根本から違う描画になってしまう。DPPで見比べるとR8もEOSの描画で違和感はないんだけど。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/50, f8.0, ISO 100
なんだぁ?この質感と色味....スゴすぎる。信じられるかい?コレ安物レンズなんだぜ....このレンズは安っぽいし、実際安いが写りは抜群だ。ところで、こんな暗いレンズをキットレンズにするなんて意見も目にした。全く見当外れだ。この画質の良さがわからないのか?はっきり言って今まで一眼レフ用のレンズを使っていた私はとても驚かされた。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 28mm, 1/250, f11.0, ISO 200
カオス作例。暗部の階調の出方がEFレンズと違っている。EFレンズはシャドーがぐっと落ち込むんだよね、たとえLレンズだとしても。というよりEFマウント、つまりは一眼レフのレンズ自体が社外レンズも含めてその傾向がある。RF35mmもそうなんだけど、色味自体は自然な感じで私の好みだ。EF35mm F2だともっと派手に色が出ていたよ....

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 24mm, 1/50, f8.0, ISO 250
今度は直接光が当たっていない作例。解像力は四隅を除けば広角端でも2400万画素のR8には充分。しかし、四隅が甘いと思うのは等倍で見た時の話だ。R5には物足りない解像力のようだが....Christopher Forest氏が言っているので間違いないだろう。2倍ズームというのもあるが、全体的に見てレフ機時代の標準ズームとは比較にならない性能だ。
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMの欠点
私はいつも欠点にフォーカスしてレビューをしているのだが、このレンズって致命的と言える欠点はない。それに値段も安いし、キットレンズだからいくらでも中古がある。だから気になったら買ってもいいんじゃないの。暗黒ズームだけどその分小さくて軽い。だけど、テレ端が50mmってのは正直言って使い勝手はあまり良くないと思う。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/80, f16.0, ISO 125
ゴーストが出るのがRF24-50mmの欠点。しかし24-105mm Artの気色悪くて巨大なゴーストに比べれば随分控えめで、頻度も低い....本当の所、このレンズが逆光に弱いっていうのはほとんど難癖に近い。一番ゴーストが酷い写真を探してもこれなんだから。絞りf16でもうっすらとしか出ていないし、単焦点に比べれば出やすいくらいのレベル。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 24mm, 1/80, f16.0, ISO 250
これが人によっては致命的な弱点になるかな。広角端付近ではレンズプロファイルが当たっていても歪曲収差が残ってるみたいなんだよね。歪曲収差を矯正しすぎると画角が狭くなりすぎるからこんな事になったのかな?補正についてだけど、CanonとAdobeの歪曲補正は異なる。Lightroomで補正した場合、中央部が縮んで写って明らかに不自然。

Canon EOS R, SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art A017, 135mm, 1/200", f9.0, ISO 100
さっきのカオス作例の場所で望遠レンズを使って撮影した作例。こんなことしているようでは本末転倒に感じるが、私はRF24-50mmで撮影するときにはよく135mmも持っていく。それはそうと、フルフレームに軽くて小さい暗黒ズームってMFT使ったほうが良くない?と思わないでもない。しかし、ダブルマウントなんて流石に予算が許さない。
2400万画素のEOS R8で解像力を検証
私の解像力検証はいつもいい加減で、せめて平面の被写体を撮影して画面中央と画面端の比較くらいしろよっ!と自分で突っ込みたくなってしまうのだが、今回はちゃんと平面作例。たまたま平面の写真があっただけだが....皆さんはここに来る前に、もっと有益な記事や動画で解像力は確認済みだろうから私が説明するまでもない気もするけど。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 24mm, 1/250, f16.0, ISO 100
....ちなみに作例はf16まで絞っているから最善の結果だ。私はこのレンズを特別理由がない限り、必ずf16まで絞って使うから他のf値での結果は知らない。詳細を知りたければChristopher Forest氏の動画を見よう。このレンズ、暗いとかボケないとか言われてるけど、この手のレンズって思いっきり絞り込んで使うものだと思うんだけど違うのかっ!?


2160×3840切り出し。左が中央、右が右下だ。うーん、今1280×1024pxのショボいモニターで編集しているんだけど右のほうが露出が低いくらいの差しかわからない....4Kモニターなら違いは分かるけど。それはそうと、ボケた写真しか撮らない人はボケた人らしいぞ....私がボケてないの写真を撮るのは、ずっと望遠レンズを使っていた反動だが....


1080×1920px切り出し。1280×1024pxのディスプレイだと若干右下を切り取った作例のほうが解像していないように見える。スマホだったら違いがわからないんじゃないの?私のサイトにはスマホで来る人が6割だが、最終アウトプットがスマホならいいレンズもカメラもいらないぞ。とにかくボケるレンズとフルサイズ、これが一番訴求力がある....
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMの逆光特性
このレンズはRF時代のズームレンズとしてはフレアとゴーストが出やすいものなのかどうか私には判断できない。ただ、単焦点レンズのRF35mmやEFマウントの135mm Artに比べればゴーストは出やすい。しかし、フレアについては135mm Artよりも出にくい。それに、EFマウントの高額な100-400 IIや24-105mm Artに比べて遥かに逆光に強い。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 24mm, 1/80, f16.0, ISO 100
実際のところ太陽がフレームに入っていたとしても、ゴーストが出ていないか目立たない写真のほうが多い。私は、あえて顕著にゴーストが出ている写真をLightroomで探し回ったのだ。フレアについては、明確にこれはフレアが出ているという写真は見つけられなかった。ズームレンズということを考えるとめちゃくちゃ高性能な気がするのだが....

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/125, f16.0, ISO 100
この作例は画像調整した。画像調整することで一段とリアルになり、まさにあのときの感動が蘇る画質。RF24-50mmとR8という組み合わせではこういう逆光の写真を除いて全く調整がいらないと感じる。Jpegでリアルな画が撮れる。Jpeg撮って出しおじさんは嫌いだが、スナップ撮影なんかはもう撮って出しでいい時代になったのかもしれない。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 32mm, 1/500, f16.0, ISO 200
木が印象的だったので、あえてシルエット的に撮ることで木の造形そのものの面白さを表現した。とか思いながら撮ったんだろう多分....黒く見える部分も実はきちんと色データが残っており、露出を3段引き上げると完全に色が戻ってくる。3段も持ち上げてもノイズリダクションなしでそれなりに見られる画質。R8のセンサー性能やばすぎだろ....
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMのボケ味
暗黒標準ズームがどんなボケなのか検証してみよう。テレ端のf値がf6.3とかいう150-600mmの超望遠レンズ並みに暗い標準ズーム。はたしてぼかすことができるのか?私は通常レビューのために撮影に行ったとしても、レビューのための写真は撮らず、好きな撮り方でしか撮らない。しかし今回は、この章のためにf値開放チャレンジをしてきた。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/400, f6.3, ISO 320
50mm f6.3。ほう?適度に絞ってますね、どうしてその絞り値を選んだのですか?というような会話が発生しそうな絞りだが、このレンズでは開放だ。つまり、f値開放の50mmを使えば適度な被写界深度の良い写真が量産できるんではないのか?........いや、どう見てもパンフォーカスです。ありがとうございました!ビックリするほど全然ボケない。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/60, f6.3, ISO 320
....で、当然ながら寄って撮影することになるのだが....RF24-50mmは接写すると球面収差により滲みが発生する。このように、ソフトフィルターをつけたような描画になってしまうのだ。また球面収差で2線ボケを起こすが、エッジが柔らかい2線ボケであり、それによってボケを柔らかに魅力的に見せているようだ。舌を巻くような巧妙な設計である。


Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 44mm, 1/50, f6.3, ISO 800
ボケ味を確認するためのカッコいい写真が撮れなかったので仕方なく物撮り。接写で滲んではいるが明確な2線ボケ。しかし、ボケのエッジはなだらかで、玉ボケもバブルボケにはならないらしい。だから、RF24-50mmで大きくぼかした写真をとっても、EF70-200mm F4L IS USMで撮ったようなバキバキにエッジがたった2線ボケにはならないのだ。
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMの色味
EOS RとRF35mmで撮影した写真でも感じたことだが非常に色の出方が繊細で階調豊か。私はRF24-50mmでこの傾向が出るのはレンズの性能ではなく、R8の性能ではないのかと疑っていたのだ。実際R8とSIGMA 24-105mm Artを組み合わせて写真を撮ってみてわかった。やはりRF24-50mmの写りは抜群にいい。さすがミラーレス専用レンズだ。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/30, f16.0, ISO 500
いやぁ、この煙突の赤色の色の出方を見たときはゾクゾクしたね。私は普段Lightroomを使っているのでCanonのオリジナルの描画というのは見ることがない。しかし、R8の忠実設定でこれほど美しい色彩が出てくるのなら現像はDPPでしたほうがいいだろう。赤は特に描画が難しい色だと思うが撮って出しでこれが出てくるのには感心してしまう。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/250, f8.0, ISO 200
こんな光質だときれいに見えるとか、こんな光質だときれいに見えないとかでなく、あらゆる光質でEFマウントの標準レンズより美しい描画に見える。2018年、私が写真を始めた時期だ。この頃多くのユーザーがSONYに流れた。これはただ便利ってだけじゃなくて、やっぱりSONYのミラーレス専用レンズの画質が良かったのが原因なんじゃないの?

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/250, f8.0, ISO 4000
Canonは記憶色なんて言われていたりするが、R8とRF24-50mm、忠実設定という組み合わせでは目で見たままという印象だ。ハイライトにも強く、シャドーも粘ってEF時代のように急激に締まらない。しかもこれ、DPPで現像したとはいえISO 4000だからね....最近のフルサイズ機スゴすぎだろっ!フルサイズとAPS-Cの違いはこちらの記事へ。
24mmの気持ちよさ(初心者向け)
ここは初心者向けの章。カメラを買う?最初の1本は50mmの単焦点?マジでやめとけ。必ず標準ズームレンズを買ってほしい。撒き餌の50mmも買っていいけど....たしかに単焦点はボケるかもしれない、しかし50mmには50mmの表現しかできない。ボケよりも画角変更によるパース、圧縮効果のほうが写真を構成する要素としてはよほど重要だ。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 24mm, 1/400, f16.0, ISO 400
雲の表情が良かったので雲も絡めて撮りたいと感じた。もちろん空を含めて広く撮りたいので、広角端24mmを選んだ。空を最大限フレームに入れて撮るために膝立ちで煽って撮影している。広角レンズを使うときは、ただ漫然と使うのではなく奥行き感を意識して撮るのがコツだ....本当は私も広角レンズなんて殆ど使ったこと無いんだけどね。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 24mm, 1/80, f16.0, ISO 250
三分割構図かつ、人と建物の対比構図。初心者のフォトグラファーは構図を意識しすぎないでほしい。それは、失敗のもとだ。作例を見てみよう。欄干と建屋の基部の交点、また人物が写っている位置は三分割線の交点。建屋の重心は三分割線の上にある。自分の撮った写真を分析的にみることが大事だ。反省これが大切、反省なくして上達なし。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/50, f8.0, ISO 100
私は本当に馬ばかり撮ってスナップ写真なんか殆ど撮ったことがない。それこそスナップ撮影していたのは写真を始めたばかりの頃だ。で、24-105mm Artのレビュー記事を書くために3年ぶりにスナップにでかけた。すると、びっくりするほどスナップが上手くなっていた。写真の基本を覚えれば他人の写真見るだけでも上手くなるんだろう....多分。
早撃ちガンマン(初心者向け)
皆さんHip shootingという言葉はご存知だろうか?ホルスターから銃を引き抜き、そのまま腰位置でトリガーを引いて弾丸を発射することだ。西部劇ではよく見る光景だろう。これはスナップ写真では重要な技術。相手に撮られていると意識されたらおしまいだ。モニターさえ見ず瞬間的に撮る、これは24-50みたいな小さく軽い機材でしかできない。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/320, f6.3, ISO 100
殆モニターも見ずに腰撃ち撮影。ファインダーを覗いているといかにも撮影をしている感が出るので、私は人が近くにいるときは腰位置で構えて撮ることが多い....実のところ私は人が写っている写真なんて、本当は殆撮ったことないんだけどね....影にピントが合っているが、影を写したかったので結果オーライだ。私は写真をまぐれで撮っている。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/250, f6.3, ISO 2000
ここは宗像の道の駅、ど田舎なのだ。ところで、田舎ではカメラを構えていると警戒されるぞ。みんな前を横切るのも遠慮するし....観光地の門司港でさえそんな感じだ。だから、風景と人を絡めた撮影がしたいと思うならクイックショットすべし。これはFPS用語で、スコープを覗いた瞬間に弾丸を発射し瞬間にキルを取るスナイパーの必須技術だ。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/125, f6.3, ISO 100
私は元々超望遠レンズで動物を撮るのが専門。動物撮影はカメラを構えている時間が撮影枚数に対して非常に長い。“その瞬間”が訪れるのを待ってシャッターを切るのだ。言わばスナイパーである。また、超望遠の狭い画角で被写体を瞬時に捉えられる。撮像素子の向きが感覚的にわかるのだ。そういうわけで超望遠は撮影の練習に良いぞ。
24-105mmだと、どう写せるのか
今回、24-105mmを持って初めて人を主題とした写真を撮りに行ったんだけど、素人には単焦点でストリートスナップを撮るのは難しいと感じた。上手い人なら単焦点でも撮れるのだろうが、やはりこれは撮れる、撮れないというのが出てきてしまう。上級者ならそれもよしって感じなんだろうけど、これは初心者にとっては明らかな機会損失だ。

Canon EOS R8, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013 , 105mm, 1/125, f4.0, ISO 3200
105mm, 1/125, f4.0, ISO 3200だ。焦点距離以外の設定に特に理由はない。ただ、なんとなくISO感度が3200以上になるのが嫌でf値開放。SSも1/125も適当に決定した。作例は、105mmということで圧縮効果が効いている。また、動体ブレやボケ、光質の影響で夢で見た光景みたいな写真になった。こう言う雰囲気って背面液晶じゃわかんないだよね。

Canon EOS R8, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013 , 80mm, 1/250, f16.0, ISO 1600
80mm。中望遠と呼ばれる焦点域だが、やはり50mmと比べると明らかに背景が近くなる。このおじさんと少女の対比が面白いなと思い、この作例を選んだ。それにしてもこのおじさんはなんでニコニコしているんだろう?フレーム外にいる誰かと話しているのか?24-105mm ArtはやっぱりRFレンズと比べるとシャドーが沈み込むといった印象。

Canon EOS R8, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013 , 105mm, 1/250, f6.3, ISO 400
この章の全ての作例は門司港レトロで撮ったものだ。それにしても、たくさん外国人がいた。外国人と言ってもほとんどが中国語圏の人と、韓国人だけど....正直言って北九州市ってそんな観光するところ無いと思うんだけどなあ....こう見ると24-105mm Artもなかなか雰囲気があっていい写りだ。ただリアリティーって面だとRF24-50mmの圧勝かな。
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM With EOS R
“パシィッ!”EOS Rのシャッター音気持ちいーっ!私はR8を基本的に電子シャッターで使用するから無音だ。Rと違ってちょっと動いてるくらいじゃ歪まないし。R8は電子シャッターだと12bit Rawになる....Photo Cafeteriaに検証記事があるが12bitも14bitも全然変わらないぞ....機材オタクたちは大騒ぎしていたが....こいつら本当に写真撮ってんのか?

Canon EOS R, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/250, f16.0, ISO 640
3030万画素、EOS Rの作例を見てみよう。ピント面の描画は実にシャープ、4Kディスプレイ全画面表示程度なら隅でも解像感は非常に良い。しかし、2400万画素のEOS R8と比べると描画の線が太いような気がしないでもない....このレンズ、テレ端は解像力落ちるらしいんだけど、いつもf16まで絞ってるからわかんない....等倍で比べたりしないから。

Canon EOS R, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/250, f16.0, ISO 400
やっぱり何か線が太い気がする、等倍で見た時の話だけど。描画はEF時代のセンサーを搭載しているRでも非常に柔らかいね。柔らかい、抽象的な表現だ。なぜ柔らかく感じるのか考えてみたんだけど、Lightroomでテクスチャをマイナスにしたような描画の軟調さから、そう感じるのだと思う。しかし、相反するようにシャープ。これがRFレンズ。

Canon EOS R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013 , 38mm, 1/250, f16.0, ISO 1000
今度はハイコントラストな一枚だ。これほど明暗差があると、流石に軟調な描画が特徴のRFレンズでもRaw現像なしでは目で見たままの描画にはならない。いかにも“写真的”な一枚。私にとって写真とはこういうものだった。ある時私は、R8とRF35mmで写真を撮った。“こんなの俺が知ってる写真じゃない”そう思ったね、リアルすぎたのだ。
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMまとめ
このレンズを使ってみた感想は“撮影”に持っていくようなレンズではないというもの。やはりテレ端が50mmしかないのは厳しい。門司にスナップ撮影しに行くとき、今日はガッツリ撮るぞということで24-105mm Artを持っていった。24-105mmはRF24-50mmより5倍も重いし、画質も劣る。だけど重要なのは画質でも軽さでもなく画角なのだ。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/250, f10.0, ISO 1600
とはいえ、写りは抜群にいいと言うのは事実だ。それにとても軽く、小さく単焦点レンズ感覚で運用できる。だから、あなたがアンリ・カルティエ・ブレッソンスタイルを目指すならこのズームは買いだろう。彼は50mmのレンズを好んだという。そして本当か嘘か知らないが、いつ撮ったのかわからないくらい瞬間的に撮影していたらしい。

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 50mm, 1/250, f10.0, ISO 3200
4Kディスプレイで見るくらいなら解像力に不満は感じない。植物も壁面のテクスチャも見事に描き出している。私はやたらRF24-50mmを褒めているが、それはひとえにこのレンズの描画に驚きを感じているからだ。安価だからと評価が甘くなっているわけではない。それこそ30万円の100-400 IIと比べても見劣りしないどころかコッチのが良くない?

Canon EOS R8, Canon RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM , 35mm, 1/40, f5.6, ISO 320
ボケもきれいでしょ....素晴らしい画質、しかも小さくて安価。こんなもの見せつけられてしまってはRF24-240mmが欲しくなる....やられたっ!実は撒き餌レンズだったんだよコレは....RF50mm f1.8が初心者に向けた撒き餌レンズなら、RF24-50mmは私のようにf16まで絞るようなパンフォーカス派に向けた撒き餌レンズだ。ホントしてやられたよ...
追記、R8と100-400mm IIについて
いやぁRF24-50mmのほうが、EF100-400mm IIより良くない?なんて言ってしまって、不安になっていた。もしかすると、EOS R8の描画力が凄すぎてRF24-50mmの描画がよく見えてしまっているのではないのか?だとしたら、私は不当な評価をしていることになる。なぜなら私は100-400 IIをEOS Rや5Ds Rといった古いカメラで使っていたからだ。

Canon EOS R8, Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM , 371mm, 1/250, f8.0, ISO 200
そういうわけで、EOS R8と実売価格26万円のレンズ、EF100-400mm IIでちょっと撮影をしてみた........なんだぁ?この質感と色味....スゴすぎる。信じられるかい?コレ2014年のレンズなんだぜ....24-105mm ArtとR8を組み合わせても、こんなもんかぁ....となったけど、100-400 IIは化けた。今まではこのレンズのポテンシャルを引き出せていなかったのか....

Canon EOS R8, Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM , 286mm, 1/250, f8.0, ISO 200
ハイアマ向けの10万くらいの4Kディスプレイ....今じゃもう10万では買えないか....これで見てみると、その解像感に驚いた。凄く描画の線が細い、これがR8に新搭載されたシャープニング技術なのか....色の繊細さ、階調のなだらかさ、解像感もEF時代のセンサーを搭載したEOS Rで撮った写真よりも優れている。R6M2、R8のセンサーは本当にすごい。

Canon EOS R8, Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM , 400mm, 1/400, f5.6, ISO 640
R8は色がいい、特に私がいいと思うのは海の色だ。ところで皆さん、RF24-50mmは素晴らしい画質だ。もちろんRF24-105mmの安い方も同様の画質だろう。どちらを購入しても後悔することはないと思うが、次に買ってほしいのはこの1本。RF100-400mm。私自身所持していないが、約束された性能のRFレンズ....欲しい。100-400 IIは重すぎる。