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​[レビュー]EF35mm f/2 IS USMの描画をAPS-C機のバラ作例で検証

この記事は最初期のものなのでクオリティーが低い。興味本位で来た人は他のレビューを見てほしい。

​バランスに優れたレンズ

 

EF35mm f/2 IS USM....このレンズは最高の解像力を持っているとは言えないかもしれない。素晴らしい色乗りだとは言えないかもしれない。光学的に超高性能とは言えない。それほど明るくないし、それほど小さくもしないし、それほど安くもない。そんなこのレンズの特筆すべき点はバランス

価格と性能のバランス。解像力と色乗りが両立した描画のバランス。開放f値とレンズ重量のバランス。これほどバランスに優れ、強力な手ぶれ補正が搭載されているので指摘できるような弱点が殆どない。敢えて難癖をつけるなら工場夜景では画面端の光源にゴーストが出やすいことくらいだ。フルサイズの場合は....

​私は、フルサイズ機で使った場合も目立つ開放f値付近での周辺減光は弱点ではなく、むしろ長所としてとらえている。表現としての減光が手軽に使えるからだ。減光させたくないならソフトウェア補正で簡単に解消できるし、Canonのカメラボディーで使うならカメラ内レンズ光学補正で減光は抑えられるはずだ。

レンズを4本しか所持していないのに、レンズレビューというのもおこがましい感じもする。しかし、このレンズで室内を試し撮りし背面液晶で確認しただけでもわかった。このレンズは持っていると....私はもともとEF50mm F1.8 STMという単焦点レンズを使っていたのだが、同じ単焦点でもここまで違いがあるのか....

​そう実感したのだ....背面液晶のみで....神レンズと言われているEF70-200mm f/4L IS USMも所持しているが、このレンズの写りが好きだ。DxOのデータではEF35mm f/2 IS USMは並み居るL単焦点レンズを抜いてキャノンのEFマウントレンズの解像度ランキングでは3位につけている。DxOスコアでは驚愕の2位だ。

 

写真趣味を始める前は、どのように撮ったらこんな風に写るのか疑問に思っていたが。何のことはなくて、明るいレンズで接写すれば誰でも撮れる....EF35mm f/2 IS USMならこれほど印象的に....Lightroomでプロファアイルをビビットにしただけのほぼ撮って出しだ。開放で撮影したことと、露出や彩度の調整を一切行っていないので色味は非現実的だが、レンズの素性の良さがわかっていただけると思う。

​フルサイズ機でもAPS-C機でも使いやすい

 

EF35mm f/2 IS USMはその名が示している通り、35mmのレンズだ。フルサイズで使えば準広角で、初心者の方には50mmよりも使いやすい画角だと思う。最高なのが、CanonのAPS-C機で使えば換算焦点距離が56mmになるところだ....非常に使いやすい画角で私の8000Dのつけっぱなしレンズになっている....

迫力のある外見だが重量335gと軽量で片手でも簡単に扱える。当然Canonのこの価格帯のレンズだから距離指標搭載のリングUSMだ。AFは社外製の低価格レンズ並みの速度しか出ないEF50mm f/1.8 STMの3~4倍早い。だから、デュアルピクセル CMOS AFでないカメラでのライブビュー撮影もストレスはない

金属鏡筒ではないが、シボ塗装風の表面処理や質実さを感じさせるデザインに安っぽさはない。最近のSIGMAやTAMRONのすけこまし感溢れるクールすぎる外見とは一線を画する格好良さを持っている。個人的にはCanonのレンズでは一番好きなデザイン。ただ、入門機につけるには径が太すぎるかもしれない。

フォトヨドバシでは、フルサイズ機で使って欲しいレンズだとしている。私の見解は違ってAPS-C機でこそ使って欲しいレンズだ。やはり、画素ピッチの詰まっているAPS-C機では等倍で見た時には明確にフルサイズ機に劣る。しかし、クリアなレンズを付けることでフルサイズ機の描画に近づくことができるのだ。

等倍で見なければ、APS-C機の8000Dはフルサイズ機の6Dの描画に全く引けをとらない....まあ、普通は等倍鑑賞なんてしないと思うが....でも等倍の話....8000DとこのレンズならLightroomでノイズ軽減30~くらいかけてやり、明瞭度を少し上げると、等倍でもうっとりするほどの描画を堪能できる

 Canon EOS 6D,  Canon EF70-200mm f/4L IS USM,  160mm,  2.5s,  f8.0,  ISO 100  

 

エントリー機なら、アルカスイス互換のL字ブラケットと組み合わせるとサイズ的にマッチしてとても格好いい。ちなみに、このL字ブラケットはAliexpressで1700円、送料無料で購入。何故こんなマイナー機種のL字ブラケットが売っているのか?明らかに鍛造アルミニウム削りだし高強度アルマイト処理精度も抜群なのに何故1700円で送料無料なのか?Aliexpressは魔境なのだ....世界版ヤフオクのebayでも買える....

 Canon EOS 6D,  TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2,  300mm,  1/125,  f8.0,  ISO 100  

 

EOS Kissよりも少しだけ大きいくらいの8000Dに、フード付きのEF35mm F/2 IS USMを取り付けると若干アンバランス。短いレンズ長に大口径が際立ちすごく迫力がある。6Dくらいのボディつければ良いバランスだが、こういう雰囲気もなかなか良い。8000Dにこのレンズを付けると900g、6Dだと1090g。200g程度の違いではあるが、片手で撮影する場合にはかなりの重量差を感じる。8000Dなら片手でも軽やかだ。

バラ作例でf値別に見てみる

 

さて、撮影方法。ホワイトバランスは曇り。ピントは基本となる構図を決めて、マニュアルフォーカスでピントを合わせ、そうして開放で一枚目を撮影。そして、ピントを固定したままf値を変えつつf2.8、f5.6、f8と続けて撮影している。三脚は使用していないので、身体を前後にゆすりながらピントを合わせた。

現像ソフトはLightroom。基本的に初期設定のままで、彩度やレンズ補正などの変更はない。撮影は雑に絞り優先モードで行ったので、露出だけは同じになるように調整している。このとき、シャドウ、ハイライト、黒レベル、白レベル、トーンカーブなどは個別に調整していない。そのため色が薄い....

色味に関しては、ホワイトバランスと色被りの調整はしている。当然、同じ花なら設定はすべて同じだ。また、LightroomだとCanonの現像ソフトとは違い、オートライティングオプティマイザが有効にならないので色が淡すぎた。そのため、Adobeビビットのプロファイルを使用している。

​色々なバラ作例

 

これらの写真は、比較用に撮ったものではないのでオートホワイトバランスで撮影している。現像はプロファイルをAdobeビビットに変更しただけで、露光量もホワイトバランスも何もいじっていない。ほとんど撮って出しと言ってもいい状態だ。

 

 

EF35mm f/2 IS USM開放での描画は淡い色味とハイライトにハロがでて幻想的でとてもうつくしい....その淡い雰囲気は一段絞ったf2.8のカチッとした現代レンズ的描画からは少し想像しがたいほど。一段絞れば、それだけ色は引き締まり、明瞭さも大幅に高まるのだ。まさに一粒で2度美味しいレンズ....

​APS-C機ならf値開放でも周辺部分は高解像

 

​EF35mm f/2 IS USMはf値が開放のときに、周辺部分の解像力がかなり低いことは有名だ。しかし、レンズの中心部分しか使わないAPS-C機では開放で使っても周辺部は中央と同じくらいの解像感がある。また、先の作例でも示したようにAPS-C機では四隅まで玉ボケがきれいな丸だ。APS-C機で使うメリットは多い

​開放で撮れば形になってしまう

 

ある種の逃げなのかもしれないが、うまく撮れないときは開放にして撮れば写真として形になってしまう。大きなボケで背景を写真から引き、EF35mm f/2 IS USMの開放の描画が持つ淡い写りで写真はどこか意味ありげに仕上がるからだ。もちろんしっかり絞って、単焦点ならではのシャープさを楽しむのもいい

 

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