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更新 2019/07/24  

愛する作品を飾ろう2

プリントサービスとオーダメイド額縁で素晴らしいアートを手に入れる

前書き

ドーモ、フリークの皆さん。フリッカー・メーンです....ところで、皆さんが使っているのはスマートフォンだろうか?だとしたらこの記事の閲覧は推奨しない....このページはスマホ非対応だ。読めないことはないのだが....このページの文字数10000文字、前編も10000文字。合わせて20000文字....気がくるっている....

 

皆さんは読み切る自身があるだろうか?だけど、ネットにアップロードされているアートを綺麗に印刷して飾りたい。そう思っている方は読む価値のある記事だ。約束する。DLした画像を高画素化して、似合う額縁を探して実際に額装するところまで網羅している....少なくともこれを日本語で書いているのは私だけだ........

 

​バランスが重要

さて、続きをやっていこう。今にして思うことなのだが、額装の肝というのはバランスだ。作品とマットの色とのバランス、マットの色と額縁の色とのバランス。そして、作品の大きさと、マットの幅とのバランス、マットの幅と額縁の幅とのバランスだ。これを最重要視しなければならない。

 

これがうまくいったときに気持ちのいいバランスになるのだ。つまりは、作品を額装で引き立てている状態である。私自身、額装の完全な素人なので話半分に聴いておいたほうがいいかもしれない。しかし、皆さんよりは多少の経験があるのはずなので、私の話を参考にしていただければ幸いである。

 

皆さんは、額装シミュレーターにどこから手をつけていいかわからないと思う。作品画像をアップロードしたら、まずマットの色を決めてほしい。これである程度、使える額が限られてくる。額を決めたら、マットの幅を調整しよう。ピンとくる雰囲気に仕上がらないのなら、額の色や幅があっていないのかもしれない。

 

他の額を試してみよう。この作業を繰り返して、選んだマットの色における一番の額を見つけよう。これで完成と感じたらスクリーンショットを撮って保存する。そうしたらマットの色を変えて、また一からやり直し。新しく選んだマットの色で額装が完成したら再びスクリーンショットをとろう。

 

この工程を何度か繰り返し、その中で一番だと思うものを選ぼう。

​実際に作ってみる​

今回は私が実際に展示している、Prince Celesitaの額装を例に解説していこう。愛するPrincess Lunaを例に出さないのは、彼女の絵は例に出すには大きすぎ、特殊な縦横比の作品だからだ。Celestiaを例に出したのにはもう一つ理由がある。印刷物とディスプレイに投影されている画像との違いを見てもらうためである。煌めきを表現した作品は特にだが、プリントすると作品のイメージが変わる。発光しているディスプレイと違い印刷物は煌めきの表現が苦手なようで、実際額装している作品はディスプレイに投影されている画像ほど煌めき感はない。しかし、これは印刷物が単純に悪いというわけではない。印刷物には印刷物の良さ、味わいがある。ただ、印刷すると雰囲気が変わるということを覚えておいてほしい。ぜひ、ディスプレイの画像と額装してある作品とを見比べていただきたい。

​額縁を注文しよう

 

多くの人が額装シミュレーターのある、マルニ額縁画材店でそのまま注文すると思う。しかし、この店には欠点もある。マットの値段の付け方が雑なのだ。これは普通サイズでは問題にならないのだが、大きなサイズで注文しようとすると重くのしかかってくる。例えば、単純に面金すると値段が二倍になる。

 

スウェードマットを選ぶと値段が二倍になるのだ。実際の数字を出すと、A1サイズ、薄卵のマットが2,754円なのだが、これをスウェード、面金に変更すると11,016円にもなるの。額縁のタカハシだと同等のものが5,875円だと言うことを考えると、これには少しばかり問題があると言えはしないか?

 

それに、A1サイズの薄卵のマットは額縁のタカハシなら1,632円、ゲルボア額縁なら1,487円なのでマットの値段は高めの傾向のようだ。私の見る目がないだけかもしれないが、この3社のマットはどれも良い質感で同程度の品質に見える。3社とも取り扱っているマットの色が違うので、気になる方はチェックしてみよう。

 

また、タカハシはオーダーサイズに対応したリッチな額の取扱が多い印象だ。予算に余裕がある方はこちらも見てみることをおすすめする。どこに、額を注文するにしても額装シミュレーターを使って、似た額とマットでシミュレートしてからにしよう。

 

悪いことをしているわけではないのだから、罪悪感など抱く必要はない。考えに考え抜いて、どんな額装にするか決まったら。早速注文しよう。納期はおそらく2週間程度になると思う。善は急げだ。

プリントサービスを使おう

 

私が使用したポスタープリントサービスは、瞬速プリントサービスとシュアプリント。瞬速プリントサービスはとにかく丁寧に対応してくれるのが特徴。私は、プリントサービスを使い始めた当初、愚かにもGimpで印刷サイズを指定する方法もDPIを設定する方法も知らなかったのだ。

 

だから、画像に余白を付ける加工をしてから、これを用紙いっぱいに印刷したら350DPI相当になるピクセル数の72DPI画像を印刷してもらっていた。多分、事前に調整してからプリントしてくれていたのだろう。このことからもわかるように、瞬速プリントサービスは非常にサービス面で秀でている。

 

また、メールでのやり取りも迅速である。初めてプリントサービスを利用する方は、こちらを利用することをおすすめする。一方、シュアプリントはある意味で対局にある。用紙は写真用グレードのPET合成紙と光沢紙しか用意していない潔さ。

 

そして、画像データの印刷サイズはこちらで指定しないと印刷には対応してくれない。無駄を省いて安価で提供するというスタイルだ。どちらに注文する場合でも、カットサービスは利用することをおすすめする。自身でカットされてもいいのだが、印刷面に傷がつくリスクを考えればプロに任せたほうが安心である。

 

瞬速プリントサービスなら基本的なカットは無料だ。私の場合、絵から20mmの余白を残してカットしてもらっている。余白を20mm残すことで、今回の作例では額装マットと絵に各面22mm程度の重なりができる。このくらいの重なりがあれば特に問題はない。

 

​額装しよう

 

プリントと額縁、同時に頼んだのならおそらくプリントのほうが先に届くだろう。額縁が届くまでの間にきちんとプリントの巻き癖をとっておこう。巻き癖の取り方についてだが、ネットで検索したところ、いくつも作品を傷つけてしまいかねない危険な方法が掲載されていた。

 

こういう場合、アテにすべきなのはやはりプロの意見だ。検索順位があまり高くないのでここで紹介しておく。額縁のタカハシ 【ポスターの額装術】ポスターを額縁に飾るには こちらを参考にしていだだければ、まず間違いはないだろう。

 

額縁が届いたら実際に額装するわけだが、額にプリントをセットする方法を私から解説するつもりはない....こちらの資料を参考にして欲しい。額縁のタカハシ 額縁に中身をセットしよう 私のことを解説を他人に丸投げするふてぶてしい人間などと思わないで欲しい。

 

私もこのウェブサイトを参考にしたのだから、私が額装方法を語ればここのコピーになってしまうのだ。まるで、無知なキュレーターが書いた記事めいて。さて、私の知的なイメージが崩れる前に話を戻そう。額装の解説自体はしないが、額装する上で役に立つ情報を皆さんに伝えておきたい。

 

額装するときは、埃に気をつけて欲しい。額縁のアクリルガラスには保護シートがはられた状態で届くのだが、これを剥がずと静電気が発生するのだ。当然埃が集まってくる。なるべく埃が少ない場所で額装しよう。また、大きな作品だからといい、床で作業するのはおすすめできない。床は埃が多いのだ。

 

私は、Lunaの額装を床でしてしまい埃に悩まされた。できればきれいに拭いたテーブルの上でやろう。埃が付いたときの対策として、柔らかい刷毛やブロワー、クイックルワイパー ハンディミニのようなものを用意しておくといいだろう。特に暗い色の作品はホコリが目立つので、入念にチェックしながら額装しよう。

​額の飾り方

はじめての作品を飾る場合、一番の選択肢となるのが壁にフックを固定しそれに吊る方法だろう。数あるウェブサイトの中で、一番フックを使った額の吊り方をわかりやすく解説しているのが、翠波画廊 絵の取り付け方 このページの金具を使って取り付ける場合 の項目を読んでいただきたい。

 

どんな場所にどんなふうに飾れば良い雰囲気になるのかは各自調べてほしい。私が使っているのはJフックと呼ばれるものだ。これは非常にコンパクトな石膏ボード用フックで耐荷重も大きい。飾りたい場所が石膏ボードなら額縁と一緒に頼んでおこう。

 

小さくて軽い額なら、はがせる強力両面テープの3M コマンドフックがおすすめ。ただ、これで吊る場合はフック3個以上を使って、どこか剥がれても落ちたり大きく傾いたりしないようにしよう。コマンドフックには耐荷重が大きいものもあるが、重い額に使用するのは絶対に勧められない。

 

2.5kgの額に対して、耐荷重2.4kgのフックで2点支持していたのだが2週間もすると剥がれてきた。それも1度や2度ではない。壁紙は起伏が少なく、脱脂してから貼り付けたにもかかわらずだ。額はフック2点支持で吊るのが個人的にはおすすめだ。というのも1点支持で吊っているといつの間にか傾いてくるのだ。

 

これはフックによるところもあるので、一点支持だと傾きやすいというのは必ずしも言えないかもしれないが....また、フックにそのまま吊ると額が壁面に対して平行にならない。額の上部にフックがあるからだ。これを解決するためには額の下部にスペーサーを取り付ける必要がある。

 

専用のゴム足やウレタンを使うといった方法もあるようだが、私はペーパーウエスを折り曲げて高さを出し、額縁にメンディングテープで貼り付けている。これで傾きが解消され見栄えが更に良くなる。額の傾きを管理する上で、水平器があると非常に便利だ。便利というより安心というべきか....

 

額が傾いて見えることは多々あるのだ、往々にして気分の問題なのだが....そういうときは水平器を当ててみればいい。....傾いている気がするが、水平器が水平を示しているのなら間違いない....これは完璧に水平なのだ....そういう安心感を得ることができる。

​無反射ガラス

 

光源位置を調整すれば光沢紙でも反射なしに飾れることは先に説明したが、額縁のガラス面に対しての周辺景色の映り込みはなくすのは不可能のように思える。実際私のPrincess Lunaの額装品を見てもらえば、カーテンなどがくっきり写り込んでいることがわかるだろう。

 

これは、私の部屋での最低限度の写り込みだ。斜めから見れば映り込みはよりひどくなる。額を頂点に鑑賞者と照明を繋ぐ線が90度の場合、必ず照明がガラス面に映り込む。これは例えば頭上のシーリングライト、鑑賞者、額が同じ距離にある場合だ。ガラスは45度の角度に光を反射するといったほうがわかりやすいか。

シーリングライトであれば、割と対処は簡単だ。90度に近ければ反射するので、額を頂点に鑑賞者と照明の位置関係を90度から極端に放せばいい。しかし、ムーディーな間接照明になると多灯で照らすのが当たり前なので照明の写り込みをなくすのは難しい。無反射ガラスを使うしか手はないだろう。

 

特殊なコーティングを施した無反射ガラスを使うことによって反射を低減することができる。しかし、無反射ガラスはとんでもなく高価だ。だが、驚いたことにコーティング無しで反射をなくしてくれる無反射ガラスが存在する。オーダーガラス板.COMのノングレアSだ。

 

値段も、他の高価な無反射ガラスと比べ物にならないくらい安価。このガラスを使えば景色の写り込みは完全に防げる、完全にだ。また、光源を反射しても白っぽくなるだけで不快感がない。このガラスはその特性上、ガラスと作品を密着させなければ、滲んで作品が見えなくなってしまう弱点がある。

 

ただ、オペレーターの方に伺った話だと、ガラスと作品の距離が4mmで微かに滲む程度ということだ。4mmまで大丈夫なら、ダブルマットでの額装にも対応できる。私の使用環境では2mmのマットを一枚挟んでいるので、ガラスと作品との距離は2mm。全く悪い影響は感じない。

 

ほとんどデメリット無しに反射がなくなりクリアに鑑賞できる。今は、Celestiaの額装にしか用いていないがLunaの額装にも導入予定だ。大きく暗い色の作品なので、こちらのほうがより高い効果を発揮するだろう。おそらく、私はこれから額装する全ての作品にノングレアSを使うと思う。

 

そのくらい気に入っている。ノングレアSについての詳細はこちら反射防止ガラス(ノングレアS)

最後に

 

今回は長くなった。本当に長くなってしまった。本当は2回に分けるつもりはなかったのだが、思ったよりも伝えるべきことが多かったのだ....さて、プリントサービスとオーダメイド額縁で素晴らしいアートを手に入れる方法については、一通り語り尽くしたと思う。

 

アート作品の楽しみ方については、まだまだ語りたいことはあるのだが、今回はここまでとしておこう。あまりに長いと皆さんも疲れてしまうだろう....というよりもう長すぎるくらいだが....ここで語れなかったことはまたの機会に。

 

さて、皆さん、本当に長くなってしまったが、そろそろ締めくくりの言葉を述べさせてもらおう。どんな作品を飾ろうか、どんな額装にしようかと悩んでいるのも楽しい時間だ。実際届いた作品のプリントを額にセットすれば感動がこみ上げてくるし、毎日目にする美しい作品は心を穏やかにしてくれる。

 

愛するものと寄り添う生活というのは斯くも素晴らしきものだなのだ。ぜひ皆さんにも、この喜びを味わっていただきたい。

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